皆さんは何か草花を育てているだろうか?
暦の上ではもう春、ガーデニングの季節である。
今回は、去年の夏に体験した悲しい話を綴ろうと思う。
大好きなコーヒーオベーション
わたしには大好きなバラがある。その名もコーヒーオベーション。通称コーヒーちゃん。赤とも茶ともいえぬ絶妙なニュアンスカラー、ポンポンと沢山咲く花、カップ咲きの可愛い姿――。2019年に購入して以来、それはもう大切にお世話をしていた。
湿気の多い夏は多少バテ気味になるものの、毎年美しい花を見せてくれていた。
いたのだが!!昨年の記録的な猛暑(というか酷暑)の為か、我が家の庭先にやってくる害虫に変化があったのだ。
普段ならアブラムシとの決闘だが……?
我が家のバラを荒らす指名手配犯は主にアブラムシとチュウレンジハバチくらいであった。特にアブラムシとは毎年毎年激しい戦いを繰り広げてきた。
しかしどうしたことか、昨年は新たにカイガラムシがやってきたのである。
カイガラムシ――。
名を耳にしたことはあれど、この目で実際に見たことはなかった。調べると、蝋物質をまとっているため成虫には薬剤が効きにくいこと、歯ブラシで物理的に叩き落していく(落とした虫を処理する)のが比較的手っ取り早い、などの情報を得、早速退治にかかった。
いつも使用している食品由来の園芸用スプレーを併用しつつ、カイガラムシを叩き落す地道な作戦のおかげか、目に見える部分からカイガラムシは消え失せ、戦闘はこちらの勝利に終わったかに思えた。
しかし、コーヒーちゃんの様子がどこかおかしい。葉っぱにも茎にも土にもカイガラムシはいないのに、何故か元気がないようなのだ。
うどん粉病の気配もなく、黒点病の気配もなく、アブラムシに吸われているわけでも根詰まり根腐れの気配もない。毎年夏は苦手にしているし、今年は更に酷暑だし、バテてしまったのかな……と様子を見ることにしたのだが、コーヒーちゃんはどんどん元気がなくなっていく。
夏バテにしてはおかしい。
もしかして、挿し木部分に不具合でもあったのだろうか。そう思って、購入当初から巻かれている挿し木部分のテープをくるくると剥がしていく。
“いた”
元凶がそこにはいた。
どうやって入り込んだのか、挿し木のテープの内側に、憎きカイガラムシがすくすくと育っていたのだ。
その後、必死の介抱も虚しく、コーヒーちゃんとはお別れすることになってしまった。
かなりショックで、あれから新たなバラは購入していない。
しかし、家にはまだ他のバラがある。
今年、もしまたカイガラムシと相まみえることになれば、次こそは『テープの内側まで』徹底的に戦ってやろうと思う。
コーヒーちゃんのいない春、つ ら い!!!